『プロの車磨き』バフと研磨剤のちょっとマニアな関係。
2024/04/22
あなたがもしこれから家を建てるとしたら。
過去に池や沼だったところを埋め立てたユルユルの土地がいいでしょうか?
それとも、地下深くまでしっかりと固められた安定した地盤がいいでしょうか?
地盤(下地)が大事なのは建築も車のコーティングも一緒。
もちろんガラスコーティングの品質は超重要。
しかし、その性能を活かすには艶やかでクリーンな塗装面を用意しておく必要があります。
この記事では、10万円をドブに捨てない為に、どんな下地造りならコーティングの性能を発揮できるのか?私たちがどんなものを使って磨いているのかをお伝えできたらと思います。
こんな研磨剤ではコーティングの耐久が下がる
研磨剤とひとことに言ってもその内容は様々。世界中には星の数ほどの研磨剤があります。
ですが、コーティングを施工するための下地造りに適した研磨剤という見方をすると99%の研磨剤はその役割を十分に果たしているとは言えません。これから研磨剤のダメな例をお伝えしていきますね。
ダメ研磨剤1、油分を含んでいる
油分を含んだ研磨剤は研磨剤(砥石)を油で潤滑させながら磨いていくので連続研磨時間が高く、
多少砥石の品質が悪くとも大ごとになりにくく、油でツヤを出すので適当に磨いても仕上がった様に見えるので楽といえば楽です。但し、油分が流れ落ちるとすぐに傷が露呈するので私の中では格安板金塗装店向きの研磨剤という認識です。
ダメ研磨剤2、シリコンを含んでいる
この研磨剤も基本的に油系の研磨剤と似た特性を持ちますが、我々カーコーティング施工店にとってこの研磨剤は害悪でしかありません。いつまでもまとわりつくシリコン成分がコーティングの密着を阻害するので本当に嫌いです。(笑)
ダメ研磨剤3、傷埋め剤を含んでいる
最近急激に増えてきたのが樹脂成分をツナギとして研磨剤を泳がせていく構造の研磨剤です。
このタイプは傷を隠蔽して隠しているので超短時間で艶が出ちゃうので研磨剤の質が格段に良くなった様に感じます。
実は僕も騙されてしまい、一時期使っていた事があります。
その後、お客様から塗装の艶感が変わってきたので見てほしいと連絡があり、調べたところ研磨剤が原因だということが発覚。ご迷惑をおかけし、再施工した事があります。
この研磨剤を使うと、傷を埋めていた樹脂成分が数ヶ月かけて徐々に弱り、コーティングの性能を下げてしまいます。それなのにコーティング専門店や高級車ディーラーでは『すごい研磨剤』としてもてはやされているのは本当に怖いです。
下の3種類はどれもネットリとしたペースト状かそれに近い粘度の研磨剤。
乾燥しにくいので研磨時間を長く取れる傾向にありますが混ぜ物たっぷりで密着不良を起こしかねません。
ダメ研磨剤4、水溶性研磨剤
水溶性研磨剤まで進化してくるとコーティングはずいぶん密着しやすい塗装面を作り出す事ができます。その反面研磨剤メーカーは開発コストや製造コストがかさみ、値段が高い、艶が出ない、作業性が悪い、研磨剤が飛び散る、バフが絡むなどの問題と戦わなければならず、結局中途半端な立ち位置になりがちであまり良いところがない様に思えます。
これら4種類の研磨剤を使用している場合でも施工後しばらくの間はしっかりと優美な艶を演出してくれるでしょう。しかし3ヶ月もすると『研磨のバフ目が現れる』『艶が衰える』『すぐに汚れる』などの弊害が起こり始めます。
弊社が選んだ研磨剤とは、
水性研磨剤はいくつかのメーカーから出ていますが微妙なものばかり。
弊社で使っている研磨剤は埋めたり艶を偽造することを極端に嫌うこだわりの強いメーカーからリリースされているものです。もう何年も前から他のメーカーが模倣品を作ろうとしていますがまだ遠く及ばないことからも磨きに対する信念を感じる研磨剤と言えるでしょう。
高額ですが、すごい勢いで消費しますが、本物にはそれだけの価値があります。
こいつは水みたいにシャバシャバで、水分が蒸発すると白い粉だけが残ります。
殆どの水性研磨剤では粒子が不均一なので不可能ですが、弊社で使用している研磨剤は、ほぼ水と砥石でできているにもかかわらず粒子は細かく均一なので、驚くことにスプレーノズルで噴射できてしまいます。
磨きに使う『バフ』って何だ?
あなたは車を磨く時に使う『バフ』を知っていますか?一部の車好きのかたは知っているかもしれませんが、普段生活する上でまず見かけることのない製品でしょう。
そんな『バフ』ですが、我々研磨技術士はこれを取り上げられたらただの洗車屋さんです。
ではバフが何でできていてどんな役割をしているのか、マニアックになり過ぎない程度に少しだけ掘って見たいと思います。
バフの素材と役目
バフはザックリ分けると2種類に分類されます。
1つは傷を抜く目的の物。もう1つは艶を上げる為のもの。
一般論ですが、傷を抜く為のものはウール(羊の毛)を使用しており、艶を上げるものはウレタン(スポンジの様なもの)でできている事が多いです。
最近ではマイクロファイバーを使ったものや低反発素材を使ったもの、特殊なフェルトの様なものもあり、年々より効率よく艶を上げる為に進化をしています。
バフの構造と磨きの仕組み
バフの構造そのものは至ってシンプル。
ウールバフ(羊毛)の場合、適切な硬さと厚みと形状のウレタンに適切な長さの毛を適切な密度で接着することでできているのがこれです。
役割は、研磨剤を毛の中でしっかりと保持しておく事と、一定レベル毛の中で遊ばせて回してあげること。(メーカーに言わせるとこれが超絶に難しいらしいのですが)
これがバランスよくこなせて耐久性の良いバフが良いバフかな?と思います。
ウレタンバフ(スポンジ系)も基本的な構造は同じですが、研磨剤の動きは研磨中盤から後半にかけてはスポンジのセル(空洞)の中で動き回っている様です。
磨きの本質は、傷で傷を打ち消す作業なのですが、近年の主流は、傷の中に研磨剤を揉み込む様にして傷のエッジを落とす磨き方。
この手法なら塗装の厚みを残しつつ傷を抜く、艶を出す事ができます。
塗装面の乱反射を減らす事で光の透過率が上がり、反射の方向性が揃うことで、人間の目と脳が、『傷が消えた!』『艶がある!』と認識できる状態に持っていきます。
ちょっと論理が飛躍してわかりにくかったらゴメンなさい。
いろんな磨きの材料を試した結果、、、、
世の中にあるほぼ全ての製品、サービスにおいて品質の違いがあります。
時計や車は最たる例ですが、ティッシュでさえ価格と使い心地に差があります。
バフも研磨剤も見た目はどれもほとんど変わらないのに、いろいろテストした挙句、
結局このバフと研磨剤に回帰してしまう。
毎日使うものって結局『しっくり』くる物じゃなきゃダメなんですよね。(笑)
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車のガラスコーティング専門店GLOSSY
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