車のコーティングが剥がれる原因ワースト6と対策をプロが解説
2024/04/22
施工を依頼すると高価なガラスコーティングですが、間違った取り扱いをすると簡単に剥がれたり傷んでしまいます。
これではコーティングが持つ本来の機能を発揮することができないばかりか、お金を無駄にしてしまうことになり、本当にもったいです。
この記事では、あなたがこれから先、愛車の魅力を最大限保ことができるように、車のコーティングが剥がれてしまう原因や、どんな対処ができるのか解説していきます。
車のコーティングを検討されている方や施工済のお車をお持ちのカーオーナー様のお役に立てたら嬉しいです。
ガラスコーティングが剥がれる原因ランキング
なぜ、コーティングが剥がれてしまうのか?その原因をランキングにしてみました。常用度の高い第1位からお伝えしていきますね。
第1位
鳥のふん、虫の死骸、花粉ダメージによる剥がれ
鳥のフンを喰らってしまったボディーの一部が白っぽく侵されてシミの様になっているのをみたことがあるでしょうか?鳥のフンは数ある汚れの中でもかなり攻撃力の高い部類の汚れになります。
一般に尿酸による強い酸性で塗装が侵されると言われていますがテキサス大学オースティン校の科学者Nick Crouch氏の研究によると鳥のフンに尿酸は含まれず、尿酸アンモニウム、スツルバイト、他2種類の未知の物質が関与している様です。
虫の死骸も鳥のフン同様攻撃性の強い汚れの一つです。長時間放置するとやはり塗装を侵してしまい取り返しのつかないダメージを負わせてしまいます。
いずれも見つけ次第できるだけ早く除去し、ケアしてあげることが大切です。
第2位
洗剤、ケミカルによる損傷、剥がれ
カーシャンプーで洗車をする分には炎天下で洗車を行ったり乾燥させて長時間放置しない限りコーティングを急激に痛めてしまう事はありません。
注意すべきは鉄粉や水ジミ(カルシウム分の付着)、虫の死骸などの固着汚れを取り除く時に使用する洗剤です。これらは汚れの性質に応じて直接作用する様に設計されているので適切に使用すると短時間で的確に汚れを落とすことができます。
しかし、製品選びや使用方法を誤ると一瞬でコーティングを破壊して高額を支払って施工したコーティングが文字通り水に流れてしまう事にもなりかねません。
特に、無機質を強く主張しているコーティングは酸によって数秒で剥がれ落ちるものもあるのでコーティングを専門店に依頼しようと考えている方はしっかりと施工店に確認することを忘れないでください。
第3位
コーティング剤の質が低い、密度が低い、皮膜が薄い。
一つ前の項とも深く関連する事ですが、『ガラスコーティング』『セラミックコーティング』と名のつくコーティングでもその強さや品質は様々です。
質の高いコーティングは塗装面にしっかりと密度の高い、分厚い皮膜を形成する事で大切な塗装面を守ります。
丈夫で皮膜に余裕のあるコーティングは薬品に対しての耐性、傷に対しての耐性、保証年数も長い傾向にあるのでその辺りも参考にコーティングを選んでみるとよいでしょう。
第4位
定期メンテナンス不足による剥がれ
コーティングを施工した後、洗車を怠ったり、メンテナンスを適切なタイミングで行わなかった場合には適切な管理をした場合に比べて艶、光沢が衰えたり、汚れが付着しやすくなる、汚れが落としにくくなるなど、コーティング本来の機能、性能が衰えてゆきます。
半年から1年くらいのペースで定期メンテナンスや洗車を依頼することでダメージが進行する前に未然に発見してもらえるでしょう。
また、鳥の糞や虫の死骸、花粉など、タンパク質や酸性の汚れにも要注意です。気づいたらすぐに洗い流しましょう。滞在時間が長いとコーティングの層を突き破り、塗装までダメージが及び、最悪のケースでは塗装が剥がれてサビが発生することもあるほど強い攻撃力を持つ汚れです。
第5位
PM2.5や排気ガスに含まれる有害物質
排気ガスや工場などからでる煙に含まれる有害物質が雨によってボディに付着すると剥がれの原因になります。これは有機物質が劣化をするためです。
高速道路をよく走る、工業地域が近くにあるなどの環境下では注意しなければいけません。逆に住宅街や緑の多い郊外、人口の少ないエリアでは影響を受けにくいものの、中国などから偏西風に乗って飛来するPM2.5の影響は避けられません。
第6位
洗車機によるキズやダメージによる剥がれ
ボディの付着した砂を高圧洗浄や流水で流さずいきなり洗い始めてしまったり、洗車機を使用すると砂でボディーを擦ることになってしまい、コーティングが剥がれる原因になります。
第7位
紫外線ダメージによる剥がれ
人間の皮膚と同様に自動車の塗装やコーティング皮膜も紫外線によって攻撃を受けます。但し、コーティングの皮膜そのものは紫外線によって直接大きなダメージを受けることはなく、どちかといえば塗装の(色成分)が紫外線に対して攻撃を受けやすく、中でも赤、オレンジ、黄色系は紫外線による劣化が著しい塗装色になります。
また、青空駐車でいつも同じ方向で車を駐車させると日光が毎日同じ場所に当たり、その分熱と紫外線で塗装、コーティングが劣化しやすく早く剥がれてしまうことになります。
このようにコーティングは紫外線や熱に弱い性質を持っています。特にレジン、シリコン系のコーティングは劣化しやすく、逆に密度の高いガラスコーティングやセラミックコーティングは熱や紫外線に強い特性を持っています。
無機質コーティングが最強説はホント?有機物質って何?
コーティングには有機物を含むコーティングと有機物を含まない無機質のコーティングがあります。一般的に無機質のコーティングの方が劣化しにくく剥がれにくいと言われていますが、私たち専門家の現場の意見は少し違います。
それぞれにメリットとデメリットがありますのであなたのスタイルに合ったコーティングを選んでいくと失敗を防ぐことができます。
無機質のコーティングは硬さを上げやすい反面水じみがつきやすく、水ジミを除去するためのケミカルに対して弱い傾向にあります。
対して有機質のコーティングは耐久性や硬さを出しにくい反面、柔軟で外部からのダメージを吸収し、受け流す性質と、水ジミが付着しにくいという特性を持っています。
どちらも優れている点、劣っている点がありますが、ここ数年ではそれぞれの良い特性を組み合わせることで外部要因に対して強く、薬品、ケミカルに強い、セラミックコーティングが世界中で勢力を伸ばしています。
旧来のコーティングの主な構成成分
- シリコン(艶だし)
- フッ素(撥水効果)
- 二酸化珪素
近年のコーティングに含まれる含有物
- 炭化ケイ素
- 窒化ケイ素
- 自己補修機能成分
近年のコーティングでは基本の成分に加え、超硬切削工具やタービンに使用される物質を含有させることで強度や密度の向上、膜厚の向上で全ての基本性能と艶の底上げがされていて、耐久性が向上しています。
また、FEYNLAB(ファインラボ)社のコーティングでは世界で唯一微細な傷がついても自然に傷が消えてしまう特殊な機能を持たせたコーティングも出ているなど、ここ数年のコーティングの進化は目を見張るものがあります。
コーティングが剥がれてしまう前にできること
劣化を避け、コーティングが剥がれないようにするには普段のメンテナンスが大切です。
①適切な洗車頻度で洗う
硬いブラシの使用や洗車機は避け、柔らかいクロスやスポンジを使った手洗いなど、車にとって優しい洗車を心がけましょう。コーティング施工車は洗車が非常に楽になりますので洗車時間と労力を軽減できます。
月に1回から2回を基準に洗車してあげることでコーティングのコンディションは格段に維持しやすくなります。
予洗いで砂をしっかりと飛ばしてあげることと、水気を残さないよう拭き取りをすることが最大のポイントになります。
②コーティングの定期メンテナンスを受ける
コーティング施工後、アフターサービスのコーティングメンテナンスを利用したり、施工店で取り扱っているメンテナンスキットで定期的にメンテナンスを行ないます。
メンテナンスの主な役割はコーティング層の上に積もったミネラル分の除去にあります。ミネラル分はその他の汚れと違い、カーシャンプーを使った通常の洗車で落とすことができず、ミネラル除去を目的とした専用のケミカル(洗剤)を使う必要があります。
市販品もありますが、できれば信頼のおける施工店で扱う商品を使う方がアドバイスも受けやすくおすすめです。
コーティングが剥がれたかどうかはどうやってわかるの?
私たち専門家がコーティングが剥がれていないかを判断するにはいくつかの指標があります。
- 目視と光沢計による艶感は正常か?
- 専用のLED光源によるキズ、水ジミ、クレーターがないか?
- 触れた感触に引っ掛かりやザラつきがないか?
- 水をかけた際の弾き方や引き方は均一か?
この中で誰でも簡単にコーティングのコンディションを判定できるのが最後の水をかけての判断になります。色々なバリエーションで水をかけてあげることで判定精度が上がります。
霧吹き、シャワー、流水といった感じで徐々に水の量を増やしていき、どのパターンでも均一な水の状態が確保できていればおおよそ正常に機能していると判断ができます。
コーティングが傷んだり荒れていると水弾きにムラができ、まだらに弾いたり、流水を流した時にボディーの上に美しくない形の水が残ります。
但し、これは表面のミネラル分を除去した状態でテストすることが条件になるのでミネラル除去剤などで取り除いてからテストしてみてくださいね。
コーティングが剥がれてしまったときの対処法
コーティングが剥がれてしまったら補修をしなくてはなりませんが焦る必要はありません。コーティングが無いからと言って急激に塗装が傷む事はありません。
専門店で施工した場合ならお店に相談してみてください。無償か有償かは状況やお店のスタイルによって変わりますが、部分補修をすることができるでしょう。
自分で施工したコーティングの場合も補修は可能です。但し、旧コーティングの剥離作業、下地を作り直す必要がありますので一定レベルの知識と技術は必要になり、ムラや艶感の違い、撥水性の違いなどの違和感が部分的に出てしまうこともありますので注意が必要です。
初めから専門店に依頼することで何か問題が起きた時に対処してもらえるメリットがあり、かかりつけ医の様な使い方ができるので初期費用は高くともアフターケアと安心もついてくるので選択肢の一つとして持っておくと良いでしょう。
車のコーティングが剥がれる原因と対策まとめ
コーティングが剥がれる理由
- 洗剤、ケミカルによる剥がれ
- 鳥のふん、虫の死骸、花粉の付着による皮膜損傷
- コーティング剤の質が低い、密度が低い。
- 洗車、メンテナンス不足による劣化
- 洗車機によるキズやダメージによる剥がれ
- 紫外線ダメージによる剥がれ
剥がれる前にしたい対処法
- こまめで正しい洗車をする
- コーティングメンテナンスをする
- 事前に見つけておいた信頼できるショップに頼る
コーティングが剥がれる原因は日常生活で車を使用するなか避けられるものではなく、上手に付き合っていくしかありません。
コーティングの剥がれに関わらず、カーケア関連で頼りになるショップさんを知っているかどうかでその後の愛車の魅力や価値は大きく変わってきます。
あなたがお住まいの地域のコーティング店を検索してGOOGLEの口コミなどを読めば施工したことのあるお客さんたちがそのお店やスタッフに対してどのような感情や評価をしているかを読み取ることができます。
口コミの数や星の数も大切ですが、コメントの中身を深く読んでみることをお勧めします。あなたのお住まいの地域にもきっと良いショップさんはあると思いますよ^ ^
『著者情報』
GLOSSY代表:森 新太
・カーコーティング専門店『GLOSSY』代表
・本質のカーケアケミカルブランド『SPECIALE』運営。
『日本一過酷とも言われる雪国、新潟県でカーコーティングの実験を重ね、
成功法則と独自の理論を確立。全国のカーオーナーに向け価値ある情報を発信中!』
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車のガラスコーティング専門店GLOSSY
新潟県新潟市東区松崎2-29-34 101
電話番号 : 090-1453-2498
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